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腰椎すべり症の症状

腰椎すべり症の人は、以下のような症状に悩まされています。

・長時間イスや畳に座った後、いざ立ち上がろうとした際に、腰にしびれを感じる
・何をしたからではなく、日常的に腰が重い、動くのがおっくうになる、とりわけ朝起きるのがつらい
・背中を反ったり、伸ばしたりすると、びりびりと痺れるような痛みがする
・太ももやお尻、場合によっては足先などにしびれを感じることがある
などなど→→やがて歩行障害(歩行困難)になることもあります。足首からふくらはぎが激しく痛んだり、あるいは、太ももからお尻の裏が痛んだりすることもあります。
・尿漏れをすることもあります。
・腰椎すべり症は、中高年に多く発生しますが、とりわけ女性に多いようです。

さて、腰椎すべり症は、腰椎が前方にすべりだして脊髄中枢神経を圧迫するので、症状としては、坐骨神経痛、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症などと同一のものが現れることがあり、このことは全く不思議でもなんでもないことです。

また、一般的に、腰痛を訴えて整形外科等を訪ねた場合、病院によって実に様々な病名を下されることがあります。別に病院がいい加減だからこうなるのではなく(中にはいい加減な病院もあるでしょうが)、医師が原因をどうとらえるかで、どうしてもさまざまな病名が付けられるという、やむを得ない側面もあるようです。

たとえば、中高年の方が長年の腰痛に悩まされながら、意を決して病院を訪れ、医師に上記のような症状を訴えた場合、ほとんどの病院で「腰椎すべり症」と診断されるでしょう。しかし、腰椎すべり症も急激に起こることがあり、この場合の症状は、ぎっくり腰とほとんど同じです。すなわち、腰が据わらず上半身をしっかり受け止めていられない状態、腰から下が抜けてしまってないように感じる、腰が激しく痛む、といった症状であって、ぎっくり腰と何ら変わりません。

こうしたケースでは、医師が「ぎっくり腰」の診断を下しても何の不思議もありません。というより、ぎっくり腰と腰椎すべり症は、メカニズムに関しては同一のものなのです。

また、太ももの裏やお尻の裏が痛い、と訴えた場合、「坐骨神経痛」と診断する医師もいるでしょう。しかし、別の医師は「腰椎すべり症」と診断するかもしれません。この場合、いずれかが間違っている、とはなかなか言えないのです。

なぜなら、坐骨神経痛は、腰椎すべり症が原因で発生することがあるからです。そもそも腰椎すべり症では、腰椎がすべりだして脊髄中枢神経を圧迫します。圧迫されることで、脊髄の中を通っている神経も押さえつけられ、お尻や太ももに通う神経をつつき、まさに坐骨神経痛と同じ症状を引き起こすことがあるのです。これを一方の医師は「坐骨神経痛」とそのものズバリで診断し、もう一方の医師は原因を重視して「腰椎すべり症」と診断したとしたら、決して、どちらが正しくどちらが間違いだとはいえないでしょう。腰痛を引き起こす病気に名前を付けるのは、このような複雑さがあるのです。